ゆる受験「ゆる」というワードが強烈な為に、労力も費用もかけずに、無理なくそこそこの学校に入られる? そんな風に思えてしまいますよね。
ゆる受験で話題になった記事の内容をまとめると次のとおり。
ゆる受験とは
- 1年間だけの受験勉強
- 大手塾に通わない
- 偏差値50程度の中堅校
- 科目数の少ない受験
- 習い事をやめない
我が家は、これと似た形で受験に挑んだので分かりますが、明らかに現実感のない部分があります。
現実感のない部分
- 1年間だけの受験勉強
- 偏差値50程度の中堅校
この2点が非現実的です。ゆるめの受験自体は存在してるし、近年増えていることも事実。この2点だけ変えれば、現実的で全然アリだと思います。それと、科目数の少ない受験が楽とも限らない。
現実的な、ゆる受験とは
- 2年間の受験勉強
- 大手塾に通わない
- 偏差値40台の私立中学
- 科目数は特性を知って選ぶ
- 習い事をやめない
なぜ1年間じゃなくて2年間なのか、なぜ偏差値50じゃなくて40なのか、詳しく解説していきます。
1年間で中学受験に挑むのは無謀
中学受験は独特。学校で習わないことから出題されます。国語だったら長文読解や文法、漢字、慣用句、古事成語、ことわざ、語彙、著者と作品などなど、算数だったら20以上もある特殊算。これらの基礎をマスターするだけで膨大な時間が必要になってきます。秋くらいから実際の過去問を解いていくことを考えると、夏頃には一通り終わらせないといけない。
1年間の場合、インプット期間は半年しかない。
この短期間でマスターできるとしたら、よっぽど優秀な子だと思います。普通の子に1年で挑ませるのは難易度が高すぎる。しかも、習い事も続けつつ偏差値50を1年間で目指す? そんな無茶な・・
習い事を辞めないなら、2年間でギリギリ。娘はなんとか間に合った
我が子の場合は、遅めの5年スタートでしたが、ギリギリでした。インプット期間1年間。半年間様々なパターンの演習をこなし、残りの半年は過去問を解きながら、苦手なところを重点的に復習。偏差値40台でさえ、合格最低点以上を安定的に取れるようになったのは、受験1ヶ月前でした。
偏差値50程度の中堅校は、受験ガチ勢が目指す学校
偏差値50が普通だと思っていませんか?
中学偏差値は高校偏差値と異なります。中学偏差値に+10〜15くらいすると、高校偏差値になる目安。
中学偏差値50の学校は、高校偏差値60〜65くらい
結構高くないですか?
受験ガチ勢は偏差値55以上を目標にしています。普通の子がガチで頑張って、現実的に落ち着くのが偏差値50台。少し勉強したくらいで簡単に入れないのは分かるかと思います。
ゆる受験で現実的に目指すなら、偏差値40台です。
低いと思われるかもしれませんが、それこそ高校偏差値50台相当(全国の真ん中より少し上くらい)
実際、娘を通わせていますが、周りの子達もしっかりしてるし、教育の質、部活の活発さ、イベントの力の入れ方など、近所の公立中学とはくらべものにならないと感じています。
偏差値40台について、詳しくはこちら
ゆる受験に似た方法で挑んだが、結構大変だった
実際に娘が行った、ゆる受験に似た方法
- 2年間の受験勉強
- 大手塾に通わない
- 偏差値40台の学校
- 2科受験(国語・算数)
- 週3日のバレエ
(受験直前でも変えてない)
実際これで合格しているので、ゆる受験に似た方法で中学受験に挑むことは可能。ちなみに我が子の学力レベルは普通より遥かに低い(小学校の学習にもついていけないレベル)ので、よっぽどじゃない限り可能でしょう。
週3でバレエも続け、進学塾には通わない。2年間で偏差値も40台の中学を目指すのは、そんなにゆるくない。
小5までは習い事に加え、友達と遊んだりもしていましたが、習い事や遊ぶ時間以外はほとんど勉強していました。
小6になると更に大変になります。夏頃からは、ほとんど遊びにも行かず土日や平日の空いた時間は、ほぼ全て受験勉強に費やしていました。3〜5時間以上勉強する日も珍しくない。夏休みは、予定がある日以外、朝から夕方まで毎日5時間以上勉強していました。
進学塾に通わないことで、時間の融通もきくし費用も遥かに抑えられる。我が家の場合は、公文と個人塾だけだったので、月に2万円程度でした。
中学受験をする以上、多くの勉強量が必要なのは変わらない。進学塾に通い中堅校以上を目指す子と比べると、圧倒的に「ゆるい」と思います。ただ、思ったより大変なので、あまり軽く考え過ぎないように。
大変でしたが、ダラダラ過ごす時間はほとんどなかったので、結構充実してたんじゃないかと思う部分もあります。
勉強量と入れる学校の偏差値は、人によって違う
我が子は元の学力が低い。さきほどの勉強量は「小学校の授業についていけないレベルの子」が、これだけ勉強すれば偏差値40台の学校に入れるという参考。元の学力が一番低い場合のパターンだと思ってください。
普通以上の学力があれば、もっと勉強量も少なく高い偏差値も狙える
1年間で偏差値50はさすがに無理がありますが、それでも元の学力が平均くらいの子であれば、勉強量はこれよりもっと少なくてもいいかもしれないし、もっと偏差値の高い学校を目指すことも十分可能。
現実的な、ゆる受験とは
話題になったゆる受験の記事は、いくつか盛り過ぎな部分がありますが、少し調整すればゆるめの受験は現実的。
現実的な、ゆる受験とは
- 2年間の受験勉強
- 大手塾に通わない
- 偏差値40台の私立中学
- 科目数は特性を知って選ぶ
- 習い事をやめない
2年間の受験勉強
進学塾でも小4の1年間は受験勉強の習慣づけだったりするので、本格的に勉強し始める小5からスタートするのは、それほど無理は無いと思います。受験勉強とはいえ、小5の時点ではまだまだ遊ぶ時間も十分確保できて余裕があります。
2年間あれば、基礎力1年 + 応用半年 + 過去問対策半年
というように、スケジュールに無理がない。
大手塾に通わない
大手進学塾は、超競争環境
少しでも高い偏差値を目指す為の環境です。ムードが違い、全く「ゆる受験」に向かない。それぞれに合ったペースで進められる個別指導塾やオンライン学習サービスを利用して無理なく受験するのがおすすめです。近年、大手進学塾に通わず無理のない受験をする人が増えています。時間の融通もきくので、習い事などの予定も優先できる。
個別指導塾に全て任せると高額になってしまうので、得意なこと、不得意なことを補い合う複数のサービス併用するのが賢いです。
大手塾なしで合格する、最も現実的な方法
偏差値40程度の私立中学
偏差値40台は低くない。全国の中でも真ん中より少し上くらい。ガチで勉強しなくても狙える、且つ教育レベルも高いので、あんまりガチガチに勉強してまで受験したくないけど、近所の公立には行きたくない。という人には丁度いい偏差値、公立に比べて私立は偏差値関係なく教育レベルは圧倒的に高いです。
科目数は特性を知って選ぶ
4科か2科かどちらが良いかは、人によって違う
4科受験は2回チャンスがある。国語・算数で基準以下だった子の中で、さらに理科・社会の得点によって合格者を出すというもの。
勉強量が多くなるから2科に特化する。という単純なものではないのです。国語か算数のどちらかが、圧倒的に苦手な場合は、理科や社会で挽回する方が確実だと判断すれば、4科受験にした方が結果的に確実だったりもします。
2科受験の方が負担が少ないとも言い切れない
科目数が少ない受験は同じ学校でも4科に比べて偏差値が高い傾向にあります。それは教科に特化した子が受けるのでレベルが上がってしまうから。
理科や社会が特別苦手ではない場合は、4科受験も検討してみると良いと思います。4科がいいか、2科がいいか、1科特化でいくのかは、その子によります。
習い事をやめない
成長期のこどもには、勉強と同じくらい大切な運動習慣
体を動かさないで毎日机に向かって勉強漬けは、成長期のこどもにとって体に悪いのは明らか。週に2〜3日でも運動の習い事を続けられることは、脳や身体にも良い影響をもたらします。適度な運動が集中力アップにもつながり、心身共に健康でいられることは、偏差値の高い学校に入ることよりも大事だったりします。
犠牲にするものを、できるだけ少なくしたい
ピアノやバイオリンなどの音楽系や、書道や絵画などの芸術系の習い事もありますよね、どんな習い事でも勉強の息抜きになります。それらを辞めて勉強一本にするのは、精神的に苦しいのではないでしょうか。習い事をやめなくていいのは、進学塾に行かない強みでもあります。
適度に勉強・運動・息抜きしながら、教育レベルの高い学校に入れる方法はある
近所の公立がヤバいという状況はよくあります。うちもそうでした。そんな時に私立受験と考えるけど、200〜300万もかけて朝から晩まで勉強漬けってどうなの? そう思ってしまう場合には「ゆるめ」の受験をおすすめします。ゆるめとはいえ結構大変ですが、あまり費用をかけずに、どんな子でも可能性があります。
小6の秋以降は勉強漬けでしたが、それまでは時々遊んだりもしてたし、習い事も最後まで続けていられたので、勉強量こそ多いものの、無理なく結構充実した日々だと感じました。
現実的に、ゆる受験をする方法